2000.11.29 heartzさんに会う前は忙しい。今日のために下着は買ったし、服も買った。肌の手入れも今週に入って普段とは違うスペシャルメニュー(笑)にしてあったし、髪だって普段しないトリートメントをした。heartzさんは「こうして来い。」「ああして来い。」とは言った事がない。でもとてもじゃないけど普段どおりでは会えないし、これが女心と言うものだ。(と言ってもほとんど変わりはないのだけど、要は気持ちの問題だ。)不思議な事に、いつもは決まらない化粧がheartzさんに会う日は決まったりする。顔自体が違うからだよ。と友人は言っていた。そうかもしれないと思う。普段の顔から、女の顔に変わっているのかもしれない。 私は人を待たせるのが嫌いなので、待ち合わせの時間より遅くても10分前には着くように計算して出る。待たされるのは嫌いじゃない。待たされたら5分で帰ると言ってた友人もいたが、私は1時間位でも待ってしまう。帰ったのと入れ違いに来たら、途中で何かあって、それでも向かっていたら、待ち合わせの場所を聞き間違えたのかも・・・。あれこれ考えてる内に1時間位すぐ経ってしまう。でもheartzさんは時間に正確だ。待っても5分くらいだ。しかも待ち合わせの時間より早く着いてるのに、だ。律儀なのか真面目なのか。「そんなの常識や。」と言うだろうけど。 会う前は話したい事が常に頭に浮かんでくるのだけれど、いざ目の前にすると全く浮ばない。緊張しているせいもあるけれど、何を話していいかわからない。でも聞けば何でも答えてくれるし、話せば笑って聞いていてくれる。わかってはいるのだけれど、言葉が出てこない。かといって沈黙が気詰まりなわけでもない。多分一緒にいる事だけで楽しくて嬉しいからだと思う。「何食べようか。」heartzさんはいつもお腹が空いている。会うといつも最初は食事だ。(まあいつも待ち合わせがそういう時間だからなんだけど。)食べっぷりのいい人を見るのは好きだ。ばらしてしまえばheartzさんは「痩せの大食い」だ。 いつも錯覚する。こういう時間を過ごすと、自分は誰だったかを忘れてしまう。だから黙ってしまう。私は「恋人」ではない。それがたまらなく切なくなる瞬間がある。会えば会うほど錯覚していく。言い聞かせていないと言ってしまいそうになる。私だけの人じゃない。だから黙ってしまう。出かかった言葉を飲み込んで。「昨日何してたの?」「この間電話に出なかったのは何故?」私は恋人ではない。 この2〜3日、実は眠れなかった。正確にはなかなか眠りにつけなかった。思い出すからだ。目を瞑ると自分が何をされたかを、自分がどう感じていたかを、思い出すからだ。心で抑えていても、体は正直だ。心は隠せても、体の変化は隠せない。隠させてくれない。無理に眠ろうとすると、夢を見る。そして結局目が覚めて、今度はどうにも抑えられなくなる。heartzさんの事を思い出しただけで、濡れるようになっている自分がいる。 思い出せない空白の時間がある。髪を掴まれ、足の指を舐めさせられて、「こうされたかったんだろ?」もう我慢しなくていいんだ。そうです。その通りです。でも声が出ない。足で顔を踏まれて、もっと感じてもまだ声が出せない。叫びそうになる。「気持ちいいって言え。気持ちいいですって言ってみろ。」「気持いいです。」自分の声が遠くに聞こえた。そこからが覚えていない。自分で何をしたのかどう感じたのか。何かを繰り返し言わされた事だけ覚えてるけれど、何を言ったかがわからない。なのに体は何かを覚えているらしい。自分の意識と違うところで、いきなり反応する。思い出したくない私が覚えている私に負ける瞬間。もう受け入れた方がいい。でないとまた同じ事の繰り返しだ。heartzさんは私のそういうところを理解してくれている。少しづつ私を解放しようとしている。任せきっていていいのだろうかという疑問が常にある。今はそれを考えてはいけない。わかっているけれど、やっぱり考えてしまう。 heartzさんは優しい。その優しさが時々辛い。

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