左眼で泣く女

”ウチな、むっちゃ嬉しいと右眼から、悲しいと左眼から涙がでるんやって”と彼女は笑って答えた

初めて一緒に夜景を見に行った
冬空の中ぎゅっと手をつないだ
彼女の右眼は濡れていた

初めて彼女の手料理を食べた
美味しそうに食べる姿を見て
彼女の右眼は濡れていた

初めて彼女を抱いた
彼女の右眼は濡れていた

彼女を愛した
耳元で囁いた
彼女の右眼は濡れていた

初めて彼女は達した
激しく・・・
もっと激しく責めた
彼女の右眼は濡れていた

もっと彼女を愛した
激しく彼女を求めた
彼女の右眼はもっと濡れていた

しかし・・・些事なことで別れる事になってしまった
裸同士で彼女を抱きしめた
僕の右の胸が濡れていた
彼女の左眼は濡れていた
涙が止まらない
次第にそれは僕の両胸に広がっていった
僕も泣いていた

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