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理性

SMにおいて「理性を壊す」という表現は、

もとの生活に二度と戻れないような印象を受ける方がいるかもしれない。

しかし、実際は「理性を一時的に取り払う」という表現がより的確といえるだろう。

本能を鮮やかな絵とすると、理性はそれを覆い隠すpieceといったとこだろうか。

例えると、ある素晴らしい絵画に、

「理性」というタイトルの、無数のpieceからなる、

味気ない単色の絵が覆い隠されている状態だろうか。

主はあらゆる手段を経てそれらを取り払おうとする。

従は、無意識にそれを食い止めようとする。

調教を受ける時間が経つほど、それらのpieceは剥がれてゆく。

どんなに淫靡な自分を否定していても、

身体が火照り、全身に汗をかき、陰部が溢れるほどに濡れ、また記憶に空白ができていれば、

貴女の本能における「M」という艶やかな領域は随分と露呈されている。

そして調教が終わり、取り払われたpieceは再び元の場所へ戻ってゆく。

ただ、その一部分は戻ることはなく露呈する。

それが内面的な美しさへと繋がってゆく。

もちろん普段の現実の生活における部分の理性は保たれながら。

そして信頼ある調教を重ねれば重ねるほどそれらのpieceはいとも簡単に大きく剥がれてゆく。

そのことによって主の様々な命令を受け入れていくことができる。

本能におけるSとMとの領域。

それは余りにも広大である。

そしてその中には魅力的な人としての性が秘められている。

我々が体験しているのは、まだほんの一部かもしれない。

2003.1.6 heartz

 

 

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